2009年 04月 30日
最終章 1945.8 厚木基地ー302空 PART 9 |
8月14日 午後1時
岸少佐、第五艦隊司令官室で宇垣中将と会う、
宇垣「おう、君か厚木から飛んで来たのは。春に
一度、会ったな。久し振りだ。」
岸少佐、蒸し暑さの中、体中から汗が出てくるのを感じている。
岸、「は、岸少佐、302航空隊、ただいま、厚木基地から、、」
宇垣、岸の報告をさえぎるように、
宇垣「もういい、戦争は終わった。小園司令にそう
言ってくれ。小園は神がかってしまった。きっと、マラリアの
せいもあろう。40度の高熱でふるえながら
司令室で反乱の陣頭指揮をとって
いるようだ。小園はいい奴なのだが、このままいくと
命令違反で処分されるぞ。」
岸、「長官は、徹底抗戦ではなかったのですか」
宇垣、「もう、軍人の出る幕ではない。俺は辞職する。
明日で海軍は辞めた。後任に草鹿中将がくる。あいつとは
よく喧嘩したな。あいつも俺を煙たがっているだろうよ。」
宇垣、煙草を手にとりながら、
「しかし、岸少佐、このまま、すぐに大分を
飛び立つのはもったいない。今、帰れば、短い時間で
小園にも何を話してきたのだと怒鳴られるだろう。」
宇垣、煙草をくわえ、マッチに火をつけながら
「明日の重大放送を聞いてから
帰りたまえ。また、副官に車で別府へ一泊するように手配
してある。小園の対応については、明日、午後、草鹿中将に
相談した後、厚木基地に帰りたまえ。時間は、
明日午後でよろしい。これは
命令だ。」
岸、「は、岸少佐は草鹿中将と明日、会うようにします」
宇垣、「うむ、それでいい。小園には俺から電話で君のことは
伝えておく。俺も明日は忙しいから、ここでこの話は終わりと
しよう。別府へは汗臭いパイロット服は
やめて二種軍装でさっぱりいけよ。用意はしてある。明日の
正午までに大分基地に戻ればよろしい。では、いいぞ。」
岸はまったく拍子ぬけした面持ちで、副官が
用意した二種軍装に変え、車で別府へ向かった。
大分基地も数多くの将校達が「徹底抗戦」を唱えていたが、
宇垣中将は、それをとめるのもせず、長官室で一人
人事交替の準備を進めているようであった。
岸少佐、第五艦隊司令官室で宇垣中将と会う、
宇垣「おう、君か厚木から飛んで来たのは。春に
一度、会ったな。久し振りだ。」
岸少佐、蒸し暑さの中、体中から汗が出てくるのを感じている。
岸、「は、岸少佐、302航空隊、ただいま、厚木基地から、、」
宇垣、岸の報告をさえぎるように、
宇垣「もういい、戦争は終わった。小園司令にそう
言ってくれ。小園は神がかってしまった。きっと、マラリアの
せいもあろう。40度の高熱でふるえながら
司令室で反乱の陣頭指揮をとって
いるようだ。小園はいい奴なのだが、このままいくと
命令違反で処分されるぞ。」
岸、「長官は、徹底抗戦ではなかったのですか」
宇垣、「もう、軍人の出る幕ではない。俺は辞職する。
明日で海軍は辞めた。後任に草鹿中将がくる。あいつとは
よく喧嘩したな。あいつも俺を煙たがっているだろうよ。」
宇垣、煙草を手にとりながら、
「しかし、岸少佐、このまま、すぐに大分を
飛び立つのはもったいない。今、帰れば、短い時間で
小園にも何を話してきたのだと怒鳴られるだろう。」
宇垣、煙草をくわえ、マッチに火をつけながら
「明日の重大放送を聞いてから
帰りたまえ。また、副官に車で別府へ一泊するように手配
してある。小園の対応については、明日、午後、草鹿中将に
相談した後、厚木基地に帰りたまえ。時間は、
明日午後でよろしい。これは
命令だ。」
岸、「は、岸少佐は草鹿中将と明日、会うようにします」
宇垣、「うむ、それでいい。小園には俺から電話で君のことは
伝えておく。俺も明日は忙しいから、ここでこの話は終わりと
しよう。別府へは汗臭いパイロット服は
やめて二種軍装でさっぱりいけよ。用意はしてある。明日の
正午までに大分基地に戻ればよろしい。では、いいぞ。」
岸はまったく拍子ぬけした面持ちで、副官が
用意した二種軍装に変え、車で別府へ向かった。
大分基地も数多くの将校達が「徹底抗戦」を唱えていたが、
宇垣中将は、それをとめるのもせず、長官室で一人
人事交替の準備を進めているようであった。
by naminotakasa
| 2009-04-30 23:13